山口
第一・四半期の決算発表について、融資先に新たな担保の徴求や保証の要求で、実質的な貸しはがし、貸し渋りは発生していないか。
金融監理室長
期限前に返済を求めたり、追加で担保を求めたりすることはしていない。
山口
金融庁からも指摘された、収益面での改善点は。
金融監理室長
再建計画はまだ3ヶ月しか経っておらず、短期間での経営状況で判断すべきものではないが、引き続き再建に向けた取り組みを進めていく。
山口
私には延命計画にしか見えない。4月以降の回収計画は。
金融監理室長
不良債権の多くは、貸出先企業の経営状況が悪化し、貸出債権が劣化したものである。与信管理の専門セクションを設けるなど、適正な回収に取り組む。
山口
これまでのスコアリングモデルによる融資から、原則担保・保証つきの融資へと大きく舵を切ったが、現状は。
金融監理室長
2008年6月末現在の取引企業数は約1万1000社。
山口
そのうち中小企業の件数は。
金融監理室長
無担保・無保証の融資実績について企業規模別の内訳は明らかにしていない。
山口
1件当たりの平均融資額が1億5000万円を超える。大規模な企業への融資が相当数締めているのではないか。中小企業支援をうたいながら、この実態をどのように認識しているのか。
金融監理室長
適正な審査のもと、中小企業に対しても無担保・無保証融資が行われていると聞いている。
山口
果たして本当にそうなのか。
金融監理室長
東京の中小企業金融において必要な役割を果たしていると考える。
山口
都民の役に立っているのか。
金融監理室長
それぞれの営業秘密もある。可能な限り、営業に支障をきたさない範囲で公表していきたい。
山口
責任は旧経営陣にだけあるものなのか。
金融監理室長
経営に関与していない方へ経営責任を問うことは考えにくい。
山口
8月29日、新銀行は金融庁からの減資認可の連絡を受け、産業労働局では損失処理の必要を財務局に伝え、540億円の補正予算見積書を作成したと聞いた。その同日に知事の決裁を阿木、総額935億円の緊急対策として発表した。なぜそんなに急いだのか。
金融支援担当部長
累積損失を解消することで、新銀行東京の財務体質を改善を図ることができ、再建に向け必要なものであると認識している。
山口
金融庁の検査を重視し、行政処分を想定しているか。
金融監理室長
仮定の話には答えられない。
山口
行政処分が出ないかぎり、都は知らなくてもよいということか。
前田次長
検査結果については、金融庁は公表を前提としていない。都としては、どこがどのように改善されたか適切に把握していく。
山口
検査結果はあくまで指針によるものであり、開示をしてはならないという法的根拠はない。調べてあるので間違いない。必要な情報は公開し、説明責任を果たしてほしい。
次長
経営改善に無関心であるわけではない。金融庁の検査結果がでれば、それに基づいて経営に適切に反映することは当然のことだ。所管局として適切に把握していく。
山口
これだけの税金が投入されて、東京都の責任も立場も明確にし、職員を送り込んで、局内に金融監理室までつくった。しかし、肝心なところ銀行に経営を任せる、情報は知らない、では済まされない。引き続き都民への説明責任を果たすべく、改めて要求する。
(2008/9/29 経済・港湾委員会)